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按分計算とは、と聞かれて こんな計算と答えた

2012年12月5日#012-1

按分とは
按分とは、何かをいくつかに適当に分けること。はっきり言うと、ただの分配。
以下は例。
ケーキを兄弟で按分した。
ピザの最後の一切れを按分した(セコイかね)
食べ物の例ばっかしだな。
按分と同じく、賦課とか配賦という語も "分けること" には変わりなく、 単に "分けること" を(状況によって)小難しく言っているだけ。
実際のところやってる計算は同じ。
本当はそれなりに意味があるのだが。
按分計算とは
按分計算は、分ける量(按分量)を求めること。

按分計算は、グループでカラオケに行き、カラオケの勘定を 参加メンバー全員で割勘するようなときの計算と似ている。

似てはいるが、例えば、偉い人や先輩はちょっと高めに払ってもらい、 他の人は少なめにしましょう、 などと按分量に重み(軽み?)をつけるところが、 平等に人数割りする割勘計算と按分計算との違い。

按分計算はどうやる?
計算自体は、足し算、割り算、掛け算だけ。分数も不要。
按分計算をするには、次の2つの量がわかっていればいい。
  1. 全体量 … 按分する全体の量
  2. 割当量 … 按分先にどれだけ割り当てるか、按分先ごとに重みづけした量
例 : カラオケの勘定の按分
カラオケの勘定 \3500円 を参加した3人
飲み食いし過ぎの大先輩1名、
先輩1名、
後輩1名、
で按分する。
飲み食いし過ぎの大先輩には4、
先輩は2、
後輩は1 、
といった割り当てで勘定を割勘することにした。

つまり、下の表のようになる。
合計 割当量の合計 全体量
  3,500 円
按分先 割当量 按分量
大先輩 4  
先輩 2  
後輩 1  
按分計算の手順
  1. 按分先ごとの割当量を合計する。
  2. 按分先ごとの按分量を以下の計算式で計算する。
按分量 = 全体量 ÷ 割当量の合計 × 割当量
実際に計算すると下表のようになる。
合計 割当量の合計 全体量
7 3,500 円
按分先 割当量 按分量
大先輩 4 2,000円
先輩 2 1,000円
後輩 1 500円
割当量をどんな数にするかは好き勝手。 関係者が納得するなら別に年齢だろうと体重だろうと今期売上高だろうとなんでもアリ。

按分を案分と書いたりするのは、割当量が、何かの原理や真理にもとづいて決められるのではなく、 関係する人同士の取り決め(例えば法令とか慣例)や、 計算する人の案(思いつき・推量)で適当に決まるから?、と想像してみたりするが本当のことは知らない。
◇ ◇ ◇
按分計算の基本は以上。 次からは細かい話。
按分比
この按分の例は、

「大先輩・先輩・後輩 の按分比4 : 2 : 1 です」

と言ったりもする。
按分率の計算
按分率は、
割当量 ÷ 割当量合計
または、
按分量 ÷ 全体量
で求めることができる。つまり、各メンバーの量をその合計で割れば按分率が出てくる。

前の例と表を用いると次のようになる。
合計 割当量の合計 全体量 按分率の合計
7 3,500 ほぼ 100%
按分先 割当量 按分量 按分率
大先輩 4 ÷ 7 2,000 ÷ 3,500 約 57%
先輩 2 ÷ 7 1,000 ÷ 3,500 約 29%
後輩 1 ÷ 7 500 ÷ 3,500 約 14%
割当量で計算しても、按分結果(金額)で計算しても、按分率の計算結果は同じ

──になるはずなのだが、

按分結果(金額)のほうは、後で書くように、端数分を誰かに寄せることがあるので、 その影響から、割当量で算出した按分率と、按分結果(金額)で算出した按分率とでは、得られる按分率が(ほんの少し)違うことがある。

割当量から算出する按分率は「できたらこうしたい」所与の按分率で、
按分結果から算出する按分率は「結局こうなった」実質の按分率。
按分比・按分率・按分比率
按分比・按分率・按分比率、各語の使い分けは現実には適当だと思える。

「大先輩・先輩・後輩 の按分比は 4 : 2 : 1 です」
「先輩の按分率は、全体の 29% ぐらいになります」

太字部分を、按分比・按分率・按分比率、それぞれ置き換えてみても、それなりに聞き流せるような気がするのだが、これは人によりけりか。
按分計算の面倒 その1 端数の扱い
按分計算には割り算が含まれるので、ときには端数が出てくる。
割勘を電卓で計算したら、1333.3333…円とかになっちゃった。
小銭が面倒だ、ということで、
「1300円でいいよ。。(泣)」とか、
「1400円ずつな。 ( ̄ー ̄) 」などとする。
そして集金した金額を合計したら余りや不足が出た。どうしよう?
というのが端数の扱い。

たいていは一番割り当ての多いメンバーに余りや不足を割り当てる。
なぜか? これが一番目立たず波風が立ちにくいから。
しかしながら、これは端数が全体に比べて気にならない程度に小さいときの話。
1400円ずつに按分した例のように端数処理が阿漕(アコギ)だと波風でなく波紋を投げかけたあとに嵐を呼ぶ。

割り算で割り切れないときのために、小数何桁まで計算し、
端数はどう処理するか(切捨て/切上げ/四捨五入/他)、
按分合計の余りや不足をどう処理するか決めておく。

事前に決まっているならそれに従う。
それを決めて良い立場なら好きに決めて良い(波風が立たぬように)。

ところで。 一番割り当ての多いメンバーに余りや不足を割り当てる、と書いてはみたものの、現実の割り勘では、 余りが出れば一番多く払ったメンバーに「キミ、多く払ったから」と返したり、 不足が出れば、一番少ないメンバーに「ちょっと足りない分だけ、出してくれる?」 と言ってみたりする。

ここに流れている原理は何なのか、いい説明が思いつかない。
按分計算の面倒 その2 割当量をどう決めるか
按分の計算自体は、足して割って掛けるだけなので別に難しくない。

按分計算で悩むとしたら「割当量(を算出する計算式)」を決める部分かと思われる。 「按分の計算式を知りたい」と言うときの「計算式」とは、 この「割当量(按分率)を算出する計算式」のことを指しているのだと思う。

割当量、あるいは、割当量の算出計算式が、法令やその他のルールで事前に決まっているなら、 その計算式を探してあとは単に計算するだけとなる。 ルールがあるのかどうか調べることと、 ルールがある場合、じゃあどんな計算式なんだと調べることが必要になる。
按分計算の面倒 その3 独自の按分計算式
割当方法にルールや決まった計算式などがないとき。

「按分計算はヨロシクやっといてください(割当方法(の考案)は任せた)」 なんて言われたなら「これまた厄介な」ということになる。

割当方法を考案するということは、 カラオケの割勘で適切な割勘方法をアレコレ考えることに同じ。 関係者が「なるほどな」とそれなりに納得できる結果になるような割当方法を探してくることになる。

カラオケ代の例では「料金の大半は『飲み食いし過ぎな人』の飲食代っぽい。 なので『飲み食いし過ぎな人』には多く負担してもらおう。 あと、先輩は後輩よりも多めだよね、、」などと考えたように。

独自の按分計算式(割当量/按分率の算出式)を考案するときのヒント
独自の按分計算式に万能な公式なんてないので、ここでは、以下に考案するヒントだけ書いておく。

  1. 同じ立場でうまくやってそうな人の計算方法を参考にする。
  2. 全体量に影響をおよぼしている各メンバーの影響度を表わす量を探す。
  3. ご褒美の按分なら、メンバーの頑張り度を表わす量を探す。
  4. 関係者(按分を依頼した人や按分の結果に関心がある人々)全員が、 按分の結果を一発で納得することはあまり期待できないので、 最初は適当な案で様子を見るのがよいかと。 人に「任せる」と言っておきながら後で文句と一緒に隠されていた要望を言ってくれる人は多いもの。
  5. こりすぎの割当(按分基準)は無意味なときもあるので、ほどほどに。
    例えば、事務所全体の電気代を事務所に机を並べる部署ごとの経費に按分したいようなとき。 各部署のコンセントや室内灯にメータをつけて、このメータで得られる電力の使用量を按分の基準にすれば、かなり説得力のある按分計算はできるだろう。 しかし、部署別の電気代ごときをそこまで手間ひま掛けて知る必要もない、というときは、 各部署の人員数や利用面積など、簡単に把握できる基準を選び、適当なことを承知で按分する。

    詳しく調べれば正確な割当量や按分率がわかるとしても、そこまで正確に知る必要がないときは、 調べる手間と按分結果の必要度を考慮して、適切な按分方法を選ぶことが重要。
按分計算の面倒 その4 複雑な按分計算
複雑な按分計算は、割当量の決め方が複雑なだけで、按分量の計算は基本に同じ。
以下は、割当量の決め方が複雑な例。
1. 複合按分
割当量を決める要因が複数からむ按分。

「簡単」な按分計算の例として出したカラオケ代の例は、 割当を決定する方法に関して言えば、この「複雑」な複合按分に当てはまる。

先のカラオケ代の例では、
「飲み食いした多さ」という要因と
「先輩後輩」という要因との、
2つの要因をからめて割当量を重みづけ(ポイントづけ)している。
2. 部分按分
按分する全体量を部分にわけ、部分ごとに違う方法で按分する場合。

ふたたび、カラオケ代を例にすると、
レシートを見ると、飲食代と部屋料金の金額が分けて書かれていた。
そこで、
飲食代は「飲み食いし過ぎな人」に全額負担してもらい、
残りの部屋料金はみんなで均等に按分した。
などが部分按分にあたる。
3. 高次按分/高階按分/多段按分
部分按分の割当量が別の按分計算の結果で決まるような按分計算。
例えば、部分按分の例であげた「飲食代の按分」は、 飲食量をなにがしかの目安で按分した按分量を飲食代按分の割当量に用いている。
計算が何段階にも重なる按分は、その按分方法を考案した当人ですら、 計算しているうちに何が何だかわからなくなり、 計算によって得られた結果の妥当性が直感的に判断しづらいという難点がある。

苦労して得られた計算結果を眺めてみても、いまいちピンとこない。
「果たしてこの按分結果は妥当な按分なのだろうか?」という疑問が湧いてくるのだが、 誰ひとり「妥当だとも無意味だとも」直感的には評価できない。 そんな凄みを放つのが多段按分計算。

按分段階が10段以上にもおよぶ「黒帯クラス・永世名人並」の多段按分計算に、化学産業の原価計算システムでお目にかかったことがある。 按分計算を実行するプログラムはさほど難しいものではないのだが、 その計算結果を検証する段階で、エクセルなどを使うとはいえ計算過程の難渋ぶりに泣かされた。
複雑な按分も日常的なレベルではけっこう使う
カラオケ代の按分例は上記3つの複雑な計算例に該当する。 わりと複雑な按分でも日常的なレベルではけっこう無意識にやっていたりすることがわかる。
さらに高度な按分
次にあげる2つは、日常的にはお世話になっているが、計算が人の暗算レベルではない複雑な例。

1. JPEGなど画像の圧縮で用いられるDCT(離散コサイン変換)法
2. フォントを拡大してもギザギザが目立たないようにするアンチエイリアシング処理

どちらも圧縮/補間する画素の色を決定するために画素周辺の色から適当な色を計算する処理があり、 これは一種の割当量計算、広い意味で按分計算と言ってよいかと思う。
按分計算の達人
暗算は無理にしても、人間の感覚、というかその先の 脳(神経回路か?)は、上記2例であげた高度な按分と似たようなことを瞬時でやっている。

つまり、画像をぼんやりとしたイメージで記憶していたり、 ただの点の集まりであるドット文字をうまく補間してちゃんとした文字として認識していたりする。 音声や触覚など他の感覚についても同様だろうと思われる。

言わば脳は按分計算の達人。 その脳によって「按分計算」はどんな計算かお読みいただいている。 お役に立てたかどうかわからないが、そこら辺のところはウヤムヤに按分して「按分計算」のお話はここまでとする。
まとめ
  1. 按分とは、全体量を割当量にもとづいて分けること。
  2. 按分量 = 全体量 ÷ 割当量の合計 × 割当量
  3. 按分率 = 割当量 ÷ 割当量の合計
    または
    按分率 = 按分量 ÷ 全体量
  4. 按分計算式を知りたいという問いは、上記の式を知りたいという意味もあれば、割当量を算出する計算式を知りたい、という意味の場合もある。
  5. 法令やその他のルールで決まっている按分計算式があればそれに従って計算すればよい。
  6. 決まった按分計算式があるかどうか調べるのが次の課題。
  7. 決まった按分計算式があればそれが何か調べるのがその次の課題。
  8. 決まった按分計算式がないなら独自に編み出すか似たことやってる人の真似をする。
  9. 複雑な按分計算とは、割当量の算出計算式が複雑なだけで按分の計算は基本どおり。
  10. 複雑な按分例には、複合按分・部分按分・多段按分 などがある。
  11. 複雑な按分計算も日常レベルで無意識に行っていることがあり特別難解なわけではない。
  12. 難解な按分計算もあることにはある。
  13. みんな生まれながらに按分計算の達人。
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